在宅血液透析導入まで
ここでは、初めて在宅血液透析についてのお問い合わせから、ご自宅で在宅血液透析を始められるまでの流れをご紹介いたします。
1.外来受診・各部署面接
患者・介助者お2人で来院してください。
医師の診察・面接、その他在宅血液透析に関わる部署のスタッフの面接があります。
(在宅透析教育センター看護師・臨床工学技士・ソーシャルワーカーなど)
教育方法や透析装置等の設置方法などの説明や開始時期などのご希望もお聞きします。
- 介助者について
- 介助者の年齢、性別などに制限はありません。知識・技術を習得し正確に操作できる方が望ましいです。介助者の方は、常に透析中付き添う必要はありません。
- 透析中に透析者と連絡がとれる所であれば食事の準備、掃除、洗濯、子供の世話など自由にできます。また、介助者の方が病気や旅行で透析介助が出来ない場合は、早めに連絡して下さい。近くの病院で臨時透析を依頼します。
- 自己穿刺について
- 『在宅血液透析は自己穿刺が基本です』
- 穿刺方法としてはボタンホールを作成し、ダルニードルを用いて穿刺する方法やクランプキャスを使用しての穿刺方法などがあります。
- 患者様の状態に合わせた穿刺方法を選択しております。
- 透析時間について
- 各透析時間帯を紹介します。
- ・隔日・長時間透析
- ・連日・短時間透析
- ・オーバーナイト透析など
- 仕事や生活パターンに合わせた透析時間で行っております。
- ※オーバーナイト透析とは寝ている時間を利用して夜中に透析を行います。
- 透析装置等の設置・準備について
- 現在、当院で採用している装置の紹介
- ・日機装社製 個人用透析装置 DBB-27
- RO水とA・B原液から透析液を作製し、血液透析治療を行う装置
- 個人用透析装置
- ・ダイセンメンブレン社製 個人用RO装置 VCR-20PS
- 透析装置にRO水を供給する装置
- RO水とは、水道水から電解質や化合物、不純物を取り除いた水です。
- 個人用RO装置
- ・透析をする場所
- 3畳ほどのスペースがあればどこでも可能です。
- ・電気設備
- 20アンペアの透析装置・RO装置専用のブレーカーを増設(3Pコンセント2口)が必要になります。
- 工事費用:2万円程度
- ・給排水設備
- 給水:当院で準備したアダプターの取付が必要です。
- 工事費用:4千円程度
- 排水:洗濯機やお風呂の排水口利用可能です。
- 工事費用:0円~
- 在宅血液透析移行後の維持費用について
- 導入後の維持費
- 上下水道を使用:約3000円/月
- 電気代:約4000円/月
- 材料配送費:約5000円/月
- 上記の内容を面談・面接時にご説明します。
2.審査会議
各部署の面接結果をもとに、受け入れについて話合います。その結果を後日連絡します。
3.家庭の下見訪問
ご自宅に臨床工学技士、担当看護師が訪問し、水道圧・水質・電気容量・電圧変化・透析予定室のレイアウトなど具体的にお聞きしたり、アドバイスを致します。
4.教育訓練
自宅でDVDなどを使って透析の知識を学ぶ通信教育と透析の技術や態度を学ぶ施設内教育があります。
施設内教育は3週間で実技やモデル練習など介助者とお2人ですすめていきます。
施設内教育のスケジュールは基本は約3週間ですが(表1)透析日のみ、週末中心に行うなど患者・介助者の方の仕事や家庭の都合に合わせた教育プランを立てて実施します。また在宅血液透析移行後、数回の継続教育が基本となります。
表1
5.在宅血液透析移行会議
教育訓練期間中の状況をもとに、在宅血液透析開始の可否を話し合います。
結果が出ましたら、本人・介助者にお知らせします。
6.透析装置のご自宅への設置・透析材料の供給
移行会議後に当院、臨床工学技士がご自宅へ装置設置に伺います。
透析装置・RO装置・器具類は無料で貸し出し致します。
透析材料は、毎月1ヶ月分(7月・11月は2ヶ月分)ご自宅に配送されます。
7.家庭で透析開始
初めて家庭で透析されるときは、臨床工学技士と担当看護師が訪問し準備から終了まで付き添います。
操作手順の確認や相談やアドバイスを致します。
自信を持って在宅血液透析を始めましょう!
8.定期診察・家庭訪問
・定期診察
毎月、1度外来受診があります。
・家庭訪問
必要時のみ担当看護師が家庭訪問に伺います。
9.装置のメンテナンス保守点検
・年3回(約4ヶ月に1度)装置の定期点検に臨床工学技士が伺います。
・透析装置
警報履歴の確認
当院で定めた定期点検項目:各圧力調整・バランステスト・除水テストetc
当院で定めた定期部品交換:各所電磁弁・各ポンプO/H・ETRF交換etc
・RO装置
プレフィルター・活性炭交換
透過水量・排水量の調整