透析療法の目的は安全に、より多くの尿毒素を体から除去し、アミロイドーシスなどの長期透析に伴う合併症の予防を行うことにあります。更には、透析患者様の長期予後ならびに生活の質(quality
of life: QOL)をより高めていく努力を積み重ねていくことが大切です。このために当院では、透析効率を高めるためにハイパフォーマンスダイアライザーを積極的に使用しています。また、Kt/Vなどの透析効率や血中β2ミクログロブリン濃度を参考に透析時間も積極的に延長することをお勧めしています。この結果4.5時間以上透析を受けておられる患者様も多数いらっしゃいます。
近年、ハイパフォーマンスダイアライザーを使用する際に透析液から汚染物質が流入し、栄養障害、透析アミロイドーシスなどの合併症を進めている危険性が指摘され、問題になっております。細菌の細胞膜から放出されるエンドトキシンは汚染物質の代表といえますが、当院では臨床工学技士のたゆまなき努力と逆浸透装置(RO)やエンドトキシンカットフィルターを適切に使用することにより、透析液中のエンドトキシン濃度は多人数用透析装置で検出感度以下、個人用透析装置では10
EU/L未満に保つことができております。これは、日本透析医学会の透析液水質基準も日本で最も厳しい九州HDF検討会水質管理基準も満たしていることを意味します。
以上の透析療法の結果として、透析歴30年以上の患者様も4名、元気に外来透析に通ってくださっているものと信じております。
「より多くの透析患者様により良い透析療法を」これが金山クリニックの姿勢であり、今後も最新の治療をご提供できますよう職員一同努力していきます。 |
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